ねぶた祭・由来&歴史が簡単に3分で分かる!【祭りの本質】は団結力にあり!

この記事をご覧頂いているということは、あなたは今、青森ねぶた祭りに参加することを計画されているか、すでに参加中かもしれません。ここでは、青森ねぶた祭りの由来を簡単に説明できればと思います。ねぶた祭の由来は異文化とのつながりがあったり、歴史がどうかかわっているかを簡単に理解していただければうれしく思います。

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ねぶた祭りの由来を簡単に理解する-由来と意味は?

「ねぶた祭り」の”ねぶた”の由来と意味としては諸説あります。が、主に以下の4つの説が唱えられています。

・ 平安時代に流行り、命を奪った”ねむり病”を祓い流すべく囃したねぶた流し(ねむり病流し)由来説

・ 坂上田村麻呂(平安時代の公卿&武官)が敵を油断させるために手振り鉦(かね)・笛・太鼓を奏でて騒いだことに由来するとする説

・ 夏の繁忙期の気だるさを払う「眠り(ねむた)ながし」説

・ 七夕祭りの灯籠流しの変形

こう見ると、一見、それぞれの意味や由来が違ってみえますが、眠りを祓う(払う)ことや、起源が平安時代にさかのぼるなど、共通点もありますね。

なお、3番目と4番目はあえて分けていますが、ほぼほぼ起源的には同じ意味かと思われます。

そもそも、”七夕祭りの灯籠流し”は、農作業に疲れてしまった農民が天敵ともいえる、睡魔を払うために、眠りを紙で作った人形に肩代わりしてもらい、それを祓い流すべく、灯篭に入れて川に流すことに由来していて、夏の繁忙期の気だるさを払う「眠り(ねむた)ながし」説と、ほぼ一緒の意味合いといえますね。

いずれにしても、どの説が、ねぶた祭りの由来として正しいかに関しては、議論が続いており、まだはっきりとした統一見解が明らかになっていません。ですが、ねぶた祭りが七夕祭りに由来するという説が主流となっています。

たとえば、文化辞典には、次のようにはっきりと明記されています。

「ねぶたは元来、旧暦7月7日の七夕行事・盆行事に由来する」

出典元:文化辞典(東京書籍)

もう少し時代が進み、ねぶた祭りの起源や由来についてさらに詳しく書かれた文献などが発見されれば、はっきりと理解できるようになるかもしれませんね。

ねぶた祭の由来・歴史を簡単に理解する- ねぶた祭りはひとつだけじゃない!!

実は、ねぶた祭りは、青森市で行われるものだけじゃないんです。

実際、「ねぶた祭り」は、毎年300万人もの人々が集まる、青森県青森市で行われるものが、あまりにも有名ですが、「ねぶた祭り」は青森市だけでなく、青森県内の各地で同じように行われる行事です。

たとえば、”ねぶた”にもいろいろな種類があり、少し例をあげるだけでも、「青森ねぶた」、五所川原の「立佞武多(たちねぶた)」、「弘前ねぷた」など、その呼び方、ねぶたの大きさやデザインも様々です。

そして、ねぶた祭りと名のつく祭りが、青森県内に約70カ所もあることから、いかに青森県内の人口の少ない町や村でも、ねぶた祭りが大事にされてきたかが分かります。

ですので、本来は、青森県内の小さな村々の人々によって愛されてきたねぶた祭りも見物すれば、さらに文化や習慣の奥深さなども分かるのかもしれませんね。

ねぶたとねぷたの違いとは・ねぶた祭の歴史から分かる点

前述のように、青森県内には70カ所もの地域で、ねぶた祭りが存在し、大切にされてきました。そして、そのうちいくつかの地域では、ねぶた祭りのことを「ねぷた祭り」と表現します。

たとえば、そのうちのひとつ「弘前ねぷた」が有名ですね。

この「ねぷた」という単語は、起源がアイヌ語の「ネプターン」に由来するといわれています。ちなみに、アイヌ語の「ネプターン」とは、「まか不思議なもの」を意味します。

なお、現在アイヌ語を継承しているアイヌ民族の数は非常に少なく、アイヌ語は近いうちに消滅する危険性が高い「消滅危機言語」の一つに数えられています。2007年の調査では、当時約1万5000人のアイヌの中で、アイヌ語を母語として流暢に話せる者は10人しかいなかったことが明らかになっています。(参考 Ethnologue.com. “Ethnologue report for Ainu” (英語) )

こう考えると、もし「ねぷた」という言葉がアイヌ語に由来しているとすると、祭りを介して日本語とアイヌ語のつながりもあるわけで興味深いですね。

もっといえば、北海道だけでなく、東北地方北部にアイヌ人が存在したといわれているので、青森県に伝わるねぶた祭りも、そのアイヌ語の影響を受けて”ねぶた ⇒ ねぷた”という変化したとしても不思議ではないですね。あるいは、憶測ですが、そもそも”ねぷた”という表現の方が先だったのかもしれませんね。

また、青森といえば、巫女である「イタコ」さんが有名ですが、その「イタコ」の由来もアイヌ語の「語る」の意味である「イタック」という単語の変化形という説もあるので、「ねぶた祭り」はもちろん、青森県に伝わっているものが、言語や文化を超えた異民族の交流の存在を裏付けしている可能性を感じ興味深いですね。

ねぶた祭りのかけ声の持つ”怖い意味”とは?

あなたがねぶた祭りに参加される場合、耳にするのが「ラッセラッセ」の掛け声。この由来については、主に2つの説があります。

津軽弁では「出せ、出せ」の意味

まず、津軽弁では、「ラッセラッセ」は、「出せ、出せ」という”ねだる声”に由来するといわれています。

つまり、この掛け声に呼応して、沿道から”差し入れが山車の灯であるろうそくや山車の曳き手たちに提供される”というわけです。ある意味、この掛け声に周囲も呼応するからこそ、盛り上がっていくわけですね。

アイヌ語の”怖い意味”とは

「ラッセラッセ」という掛け声は、アイヌ語では、少し物騒ですが、「殺すな、捕らえろ、連れて行け」という意味になります。つまり、”捕虜にしろ”ということですね。

このアイヌ語の意味からすると特に感じるのが、ねぶた祭りが闘いに関係した祭であるということ。実際、「弘前ねぷた」は戦地に赴くときの”出陣ねぶた”といわれますし、「青森ねぶた」は戦いを終えた兵士が凱旋する際の、”凱旋ねぶた”ともいわれます。

ですので、実際それらのねぶたのデザイン・概観は全く異なりますし、そのことからして、戦いに関係していたこと、かつ目的も少し異なるものであることが分かります。

また、付け加えると、他にもやはり主流のねぶたのひとつ、五所川原の「立佞武多(たちねぶた)」の掛け声は、そのものずばり「ヤッテマレ」となっており、このワードなどは津軽弁で「やってしまえ!」という意味で、やはりちょっと物騒ですね。

ただし、これは日本に限ったことではありませんが、祭りというのは平和なイメージの強い「豊穣を願う」ものもあれば、「戦い」に直結しているものも数多くあります。

それだけ、昔は自分と自分の土地・領土を守るために、時として戦う必要があったことを伺いしることもできますし、いかに今が平和な時代なのかということも思わされますね。

ねぶた祭由来&歴史を簡単に理解- 結局チームワークに要注目!!

ねぶた祭の由来や歴史をここまでで理解してきました。

では、実際にねぶた祭りを見物するときに、何に注目すべきかというと、ひとこと「チームワーク」あるいは「団結力」だと思います。

たしかに、ねぶたのデザインや大きさのすばらしさ、華美さなどは、いったん見ると目を離せないほどすばらしいものですが、突き詰めると、本質はそれをいかに一体させ融合させるかという際立った団結力だと思います。

たとえば・・・

「ねぶた師」がどんなにすばらしいデザインのねぶたを作り上げても、その作り手が頭に思い描くストーリーや世界観を理解して、山車を操り動かす「扇子持ち」がいなければなりません。

そして、「扇子持ち」がどんなに巧みに山車を操っても、それだけでは無味乾燥すぎですね。そこに、手振り鉦(かね)・笛・太鼓といった楽器で、7節の音節を奏でて独特の世界観を表現する「囃子方」が加わることで、さらに一体感が生まれます。

さらに、そこに、「らっせらー!!」という大きな掛け声とともに、その字のごとく跳ねかのように踊りつつ帯同するのが、「跳人(はやて)」。1基のねぶたに2000人ほどの「跳人(はやて)」が加わることもあるなど、その一体感をさらに高めます。

つまり、青森ねぶた祭りを見るときに、祭りを通して、厳しい環境で青森県民がいかに結束して協力しつつ生活しているのか、その「チームワーク」または「団結力」を透かし見ることができるのが、このねぶた祭の醍醐味なんだと思います。

もちろん、実際にねぶた祭りに歌や踊りなどで参加しない青森県民の方が多いはずですが、祭りを見ることで、”短い夏の終わりを悟り、到来する冬の寒さへ耐える覚悟を持つ”・・・という感じでしょうか。

ねぶた祭りは、青森県民性ともいえる、忍耐強かったり、真面目だったりといった気質も垣間見えるイベントといっても良いでしょう。

▼ねぶた師・扇子持ち・囃子方・跳人(はやて)についてはコチラでも▼

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ねぶた祭由来&歴史が簡単に3分で分かる ~まとめ

ねぶた祭りは、おそらく見る側にとっては、どこを主眼に置いて、見るかがけっこう分かれるところかもしれません。

ねぶたの壮麗さ&すばらしさや、一糸乱れない祭りの参加者たちの所作や衣装のすばらしさ。「ラッセラッセ」という掛け声で最高潮に盛り上がる空気感。

ただ、いずれにしても、ねぶた祭りは、青森県民の精神というか、気概がうかがえる祭でもあると思います。青森県民のように、あなたも”心のじゃわめぐ”様を感じることができれば、ねぶた祭りを堪能できていると思いますよ♪

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