2018年4月からフジテレビ系で、新ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』の放送が開始されます。そもそも、このドラマのオリジナルは、韓国で絶大な人気と話題を呼んだドラマ『シグナル』で、そのリメイク版となります。
『シグナル 長期未解決事件捜査班』は、ストーリー的にも、韓国のオリジナル版とかなり類似しています。
ちなみに、韓国ドラマといえば、”憎悪や嫉妬、愛”といった部分が強調されていて、というよりそれらの感情的な部分がストーリーのメインになっていて、けっこうキツイという方もいるかも・・・個人的にもそうでした。。。
そう、このドラマ『シグナル』に出会うまでは・・・
ドラマ『シグナル』は、リアルからしか感じられない迫力がありました。それを少しご説明していきます。
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『シグナル』の実話&ネタモトとは?
韓国ドラマ『シグナル』がなぜ韓国でも大きな話題と人気を博したのか・・・それは”実話”に基づく側面が大きいです。
一組の夫婦の人生を変えてしまった、「大邱子供硫酸テロ事件」が、『シグナル』の元ネタ&実話となっているといって良いでしょう。
『シグナル』元ネタ・「大邱子供硫酸テロ事件」の真相とは?
今から、さかのぼること19年前、その事件は起きました。
韓国の東南部に位置する韓国第3の規模を誇る都市であり、四方を山に囲まれ美しい自然に恵まれ歴史的な建築物もたくさん残っていることから、最近では、一大観光スポットとしても注目を集めているのが「大邱(テグ)」。
今、この地を訪れる人は、そんな痛ましい事件がこの都市で起きたとは信じられないでしょう。
1999年5月20日、大邱(テグ)のとある路地。その路地に面する家では、ある家族がつつましくも幸せに暮らしていました。
そんな平穏な日・・・ 突如、何者かがその家族の住む家の前にしのび寄り、その家族の愛するキム・テワン君(6歳)の顔と体に硫酸をかけたのです。
キム・テワン君は、全身に3度の大やけどを負い、懸命な治療もむなしく49日後に死亡しました。
キム・テワン君の両親を含む遺族にとっては、その日を境に悲しみの日々が始まりました。そして何とかして真犯人が捕まって欲しいという思いが募ります。
しかし警察は懸命に捜査するも真犯人を見つけることができず、警察は、事件から6年後の2005年に一旦捜査本部を解散しました。
しかし、男の子の遺族と市民団体が請願書を提出して、2013年、警察は再捜査に着手しました。
そんな中、両親が、容疑者として名指しした近所の”とある住民”がいました。しかし、警察はこの人物の容疑を立証する客観的証拠を見つけられず、検察も同じ理由で不起訴処分とします。
両親はあきらめきれず、その人物への検察の不起訴処分が適切かを問い、審査を申し立てるも、裁判所はその裁定申請を棄却しました。
しかし、「大邱子供硫酸テロ事件」が残した韓国の世論への影響は大きく、この事件の時効が成立が韓国メディアでは連日大きく取り上げられ、世論の盛り上がりにより、やがて殺人罪の公訴時効が廃止されました。
たしかに、キム・テワン君の事件には、公訴撤廃は間に合いませんでしたが、長期的な未解決な事件が生じても、時代の経過とともに、科学捜査の手法が進化したり、第三者の証言が出てくるなど、事件の解決の糸口につながる情報が集まった場合、事件解決の可能性を大きく高めることになり、とても意義ある決定だと思います。
「大邱子供硫酸テロ事件」は、痛ましい事件ではありましたが、両親や遺族の努力、また韓国世論の後押しにより、「殺人罪の公訴時効の廃止」という副産物を生み出しました。
「大邱子供硫酸テロ事件」が起きる前は、 殺人罪の公訴時効は15年でしたが、事件をきっかけに見直され、この事件の時効が成立した翌年に、殺人罪の公訴時効が正式に廃止されました。
日本の時効見直しと撤廃のきっかけとなった事件とは
日本でも、時効撤廃(公訴時効)が、2010年4月27日に施行されました。
これは正式には、死刑に当たる罪で「人を死亡させた場合」の時効の廃止のことです。
そのきっかけとなった事件・・・ いくつかありますが、そのひとつが「足利事件」でした。
栃木県足利市で1990年に起きたこの事件では、4歳の女の子が、犠牲になりました。容疑者とみなされ逮捕され無期懲役が確定した人物は、後に再捜査により、”無罪判決”となりました。
しかし、それも事件から20年も経っており、当時の殺人事件の時効が15年であったことから、真犯人が逃げおおせた格好になりました。
やはり、こうした重大犯罪で真犯人が逃げおおせて息をひそめているかと思うと時効撤廃は当然行きつく場所といえるかもしれません・・・
『シグナル』の見どころ
韓国のオリジナル版・『シグナル』は、この実話(大邱子供硫酸テロ事件)が元ネタとなり、製作&放送されました。
ドラマ『シグナル』では無線機から聞こえてくる過去の『シグナル』を元に、現在の捜査官が捜査をし、真相を明かしていくというストーリーなのですが、ある意味、その元ネタともなった大邱子供硫酸テロ事件では、亡くなったキム・テワン君のメッセージ=シグナルが両親をはじめ世論を動かし、影響を与えたという意味で、重いテーマといえると感じました。
さらに、このドラマを際立たせたものは、脚本、ストーリー、キャストの素晴らしさ、より観る者を引き込む伏線すべてです。
今回、新ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』が、本家韓国のオリジナル版を超えることができるか、今の段階では判断が難しいですが、ただひとつ言えるのは、間違いなく面白いドラマになるだろうという点です。
また、長期にわたる未解決事件が被害者と遺族に残す傷の深さをドラマを通して浮き彫りにする、考えさせるドラマになりそうです。
出演する役者陣によりどんなケミストリーが起こってドラマに現実味や迫力が加わるかを注目できそうですね♪ 毎回の放送が楽しみです。
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